今日の言葉
「みづからをしらん事をもとむるは、いけるもののさだむる心なり」
道元「正法眼蔵」 自分のことがわかっている、という状態を求める心は、命を持つものなら必ず起こるものである。 お気に入りブログ
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ブログを放置してもう一月以上たつわけですね……。
いつのまにか草いきれにむせるような季節になってしまいました。 梅雨と紫陽花の季節はどうもすっとばしたようで気分が悪いですな。 就活とか未だに終わらないgavrielです。 個人的な日記はここのところ毎日つけていますが、ブログにはまとまった文章を置こうと思うので、 時間がないと更新ができません。ごめんなさい。 ふと「草いきれ」について調べてみました。 どうも「いきれ」が湿度が高くむしむし暑いことを意味するらしいですな。 そういや「人いきれ」とも言いますな。 私は草いきれ、むせかえるような草の匂い、というやつがけっこう好きです。 そして人いきれはどうも嫌いです。 草いきれを鼻孔に感じると、ああ夏だなあ、と思いますし、 夏休みの無人に近い大学の芝生が思い浮かばれます。 いつもの歓声がまったく聞こえず、自分独りだけが学校にいるようなあの感覚は、 寂しくもあり、また非日常、非現実に身をゆだねる楽しいものでもあります。 今日も暑かった。 五島美術館で、副島種臣展が最終日だったので、朝からあわてて行ったのですが、 暑いですね。汗がにじみでるこの感覚。 まあ、熱砂とか火焔山を思い起こさせる京都の夏に比べれば、まだまだぬるいものです。 いや、わたくしタクラマカンはおろか、鳥取砂丘にも行ったことはないですが。 副島種臣という人は、明治天皇の一等侍講(教師)になったくらいの偉い人なんですが、 能書家でもあります。 「能書家」という肩書きしか知らないで行ったのですが…… すごかったやばかった死ぬかと思った。 いやはや、何ともはや!! 書を見て死ぬかと思ったのは初めてです。 本阿弥光悦の屏風を出光美術館で見たときは、感動のあまり落涙して眺め入り、時を忘れること数刻ちゅう感じだったんですが。 この人の書は、光悦とは別のところで超越して神的な領域に入っています。 百年かかっても、百回生まれ変わっても追いつけないだろう、というような気すらしました。 それは自由自在。まったく宇宙とか仏陀の広大無辺さを思い起こさせるもので、 その世界に習おうとする私は、一字見るごとに脳がオーバーヒートして大変でした。 死ぬかと思いました。 書の鑑賞には、実際筆を持って書いた経験がないといけません。 そうすると、字がどのように書かれたのかが何となくわかります。 筆の速度が速いか遅いか、どういう角度で筆を入れて、どういう風に筆を収めたか。 詳しくは石川九楊先生の本を図書館あたりで読んでいただきたいが、 それはともかく、 副島種臣の書を、空気の筆もてなぞるという行為は本当に大変なことでした。 まったく自在。同じ形の字は一つとてない。 優雅な曲線、奇怪で楽しげな直線。丸い字、偏った字。 それらの組み合わせ。字と字の隙間。 すべてが必然的に存在していながら、しかも自由自在。 物理法則に縛られてなお想像を絶する宇宙のように、 秩序の無秩序、無秩序の秩序を形作っている。 恐ろしい。 なんともはや!! そして今度も美術館はしごです。 午後は世田谷美術館にて「青山二郎の眼」展を見る。 青山二郎は、稀代の天才、鑑識眼を持った人間で、いや評論家と言いますか違う… まあ私なんかが紹介するのももったいない、雲の上の人間なわけです。 紹介文は松岡正剛様にお願いいたしましょう。 さあ、どう書くか。相手は青山二郎だ。「俺は日本の文化を生きているんだ」というのが口癖の青山二郎である。「ぼくたちは秀才だが、あいつだけは天才だ」と小林秀雄に言わしめた。こんな男はそうそういない。いまでは、すっかりいない。 松岡正剛 「松岡正剛の千夜千冊:青山二郎『眼の哲学・利休伝ノート』」 松岡正剛様がすっかり困る人を私なんかがどうせよと? 「天才」というからには「天才」なんでしょ? その天才のコレクションというからにはいいものばかりなんでしょ? と…… でも第一級の名品ばかり、とは言えない気がしました。不遜ながら。 いいものが並んでいたのですが。 むしろ感動したのは青山二郎の言葉。 恐ろしいほどに正確で、含蓄豊かで、しかも意味不明。 「李朝は下手だからいいのではない。弱いからいいのだ。」 というような意味のことが書いてあったのだが…… 李朝の白磁とか見ると納得しそうになる。よくわからんがその通りだと言いたくなる。 強いインパクトというよりも、おもしろみとか、優しさとかそういう空気がある。 でも多分、本人にそんなこと言ったら首ふられそう。 何と言っても、この人にかかればそこらの天才程度でもアウトなんだから。 帰り、本屋でクーリエ・ジャポン6月号を購入。 この月刊ニュース雑誌はとてもおもしろいです。 高校生くらいから「海外からみた日本」というものに心ひかれてきた私好みの雑誌です。 世界各国の新聞記事を翻訳して集めたクーリエ誌(フランス)の日本語版なのです。 そのクーリエ誌の翻訳というのではなく、どうも日本の編集部が日本版を製作している模様。 日本人のコラムもあり、日本人向けなので実によい感じです。 日本人がなぜか大好きなブータン王国の裏の顔、とかね。 こういう、時事にこだわらないニュース雑誌でようやく君が代不起立問題とかを思い出すわけですが、それもまた必要なことと思います。 また社会問題だけじゃなくて 例えば今月のなら、アメリカ最高のヴァイオリニストが、地下鉄の駅構内で、私服着て、ヴァイオリンケースを足下において見せ金をいれて路上演奏してみたんですが……というレポートがありました。結果はどうぞ本文を御覧ください。 本屋と言えば、最近、岩波文庫が創刊80年記念フェアとかやってますね。 なになに、応募券三枚でプレゼントか。A賞書見箱に、B賞他用途ペン立て。さらに応募者全員に「木のしおり」五枚! 文房具が大好きな私は、その日のうちに三冊購入してしまったわけですが、 もし皆さんが本屋によりまして、「私の好きな岩波文庫100」の帯がついた本を買いましたら どうか私にその帯くれませんか? しおりが届いたら、二枚はあげますからー!(←貪欲)
by gavriel
| 2007-06-17 20:39
| 日々のつれづれ
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